ノートパソコンのCPU選びはとても重要
ノートパソコンのCPUはハードディスクやメモリと違い、購入後あとから取り換えることが出来ません。何となくで製品を選択して失敗してしまったというのは、ノートパソコンを購入した際によくある話です。
変えることができないパーツの中でも最も重要なものは、パソコンの「頭脳」とも言われ、根本的な処理性能を決定付けるCPUです。
ノートパソコンを購入する際、まずはCPUから選ぶとよいでしょう。

ノートパソコンのCPUの選び方
CPUの性能で選ぶ
CPUには様々な種類があり、世代・コア数によって表記が異なります。例えば「Intel Core i7 7500U」と書かれていた場合、「Core i7」はコア数、「7500」は4桁目で世代を表しており、双方共に数字が大きいほど高性能、高世代となります。「U」はUシリーズと呼ばれノートパソコン向けCPUであることを意味しています。
コアが多く新しい世代の物ほど高性能なのは確かですが、低いコア数のCPUでも世代によってはより高いコアのCPUの性能を上回る場合も多くあります。
似たスペックのノートパソコンを比較している場合、搭載CPUの動作周波数やコア数・スレッド数を比較検討すると、基本スペックが高いノートパソコンを見極めることができます。
ノートパソコンの用途で選ぶ
動画編集や3Dグラフィックスを扱う場合は、Intel製のCore i7 7~8世代CPUを搭載しているハイエンドなノートパソコンが必要になります。普段動画閲覧やネットサーフィンしかしないのならハイスペックなCPUは必要有りません。その場合コア数や世代を落として、コストパフォーマンスの良いCore i3やCore i5の6~7世代CPUを選択しても良いでしょう。
またコストパフォーマンスを最優先する場合、Intel製ならCoreシリーズではなく、廉価版のPentiumやCeleronを選択するのも1つの手です。
人気のCPUメーカー
Intel
CPUといえば「Intel」
AMD製CPU「Rayzen7」が発売された時点でCPUシェアはIntelが70%以上を誇っていましたが、現在IntelのCPUシェアは約55%となっています。
シェアが下がったとはいえ、依然ハイエンドな仕様のノートパソコンでは、ほぼすべてがIntel製のCPUを搭載しています。
Intel製のノートパソコン向けCPUはIntel Coreシリーズ、Pentium、Seleron、Atomが存在し、スペックも多種多様です。選択の幅が広いのもIntel製CPUの利点と言えます。
AMD
Rayzen発表から勢いのある半導体製造メーカー
2017年3月に発売したAMD製のCPU「Rayzen7」からCPUの販売シェアを伸ばし続け、2017年9月に「Intel」を販売シェアで抜きました。「Rayzen」はIntel製のCPUより高性能かつ低価格を実現し、コストパフォーマンスに優れていることで人気があります。
しかしノートパソコン向けのAMD製CPUは種類が少なく、Intel製に比べてユーザニーズに合った柔軟な選択ができないことが惜しい所です。
ハイエンドCPU搭載おすすめノートパソコン
MSIゲーミングノート GF72 8RE-099JP
ノートパソコン向けCPUで初の6コアCPU「Core i7-8750H」搭載
これまでノートパソコンのCPUは4コアが最大でしたが、Core i7-8750Hは6コア仕様となっています。
「Core i7-8750H」の細かいスペックは、動作周波数2.2GHz~4.1GHz、内臓GPUは「Intel UHD Graphics 630」となっています。「Intel UHD Graphics 630」は快適とは言えずとも、単体で軽い3Dゲームを実行出来るほど強力なGPUです。
ハイエンドなゲーミングノートパソコンを求める方におすすめ
3Dグラフィックを使用したゲームや創作がメインになる方におすすめのノートパソコンです。約20万円という価格は強気の設定に見えますが、他のパーツ構成をみるとそれほど高いものではありません。
搭載されている「GTX 1060 6GB」は、デスクトップ向けのGPUとしてもコストパフォーマンスが良いことで知られており、現在発売されているPC向けゲームのほとんどを最高グラフィックで楽しむことができます。
「MSIゲーミングノート GF72 8RE-099JP」の評判
- 性能の割に低めの価格設定がよかった
- ゲームはもちろん、仕事での使用にも満足している
- キーボードに関する不満点はいくつかあるが、それ以外はとても満足している
Acer Aspire
まだまだ現役、ハイエンド7世代CPU「Core i7-7500U」
8世代CPUが揃ってきていますが、まだ7世代CPUは現役です。Core i7 第7世代CPUの選択は、コストパフォーマンス重視の「Core i7-7500U」からスペック重視の「Core i7-7820HK」や「Core i7-7920HQ」まで様々です。
「Core i7-7500U」はコストパフォーマンスに優れていることから、これを搭載したノートパソコンは比較的価格が抑えめになっています。
ハイエンドなノートパソコンをローコストで実現したい方におすすめ
「Acer Aspire」は価格を抑えてハイパフォーマンスを目指す方におすすめです。「Acer Aspire」の構成はSeleronを搭載したエントリーモデルやCore i5を搭載したスタンダードモデルなど様々です。
「Core i7-7500」を搭載したハイエンドモデルはSSD 256GB搭載型とHDD 1TB搭載型の2種類あります。おすすめは高速な立ち上がり速度を期待できるSSD搭載モデルです。
「Acer Aspire」の評判
- コストパフォーマンスが良く、購入後とても満足している
- 液晶の作りが若干粗末な所が気になる
- HDDからSSDへの換装やメモリの増設といったカスタマイズが簡単にできる点が良い
マイクロソフト Surface Book 2
8世代CPU「Core i7-8650U」を搭載
8世代CPUの「Core i7-8650U」は総合的な性能では、7世代CPUである「Core i7-7920HQ」や「Core i7-7820HK」に劣ります。しかしコストパフォーマンスで見ると「Core i7-8650U」は非常に優秀な性能を持っています。
CPUの性能よりも、GPUやメモリ、SSDに重点を置いた選択をする方におすすめのCPUです。
自宅でのモバイル活用におすすめ
「Surface Book 2」は間違いなくハイスペックなノートパソコンですが、その重量や大きさから、外出先での使用にはあまり向いていません。
自宅での創作活動や娯楽での活用におすすめです。
「マイクロソフト Surface Book 2」の評判
- 価格は高いが、これ1台で何でもできるパフォーマンスが魅力
- ディスプレイ解像度(3000×2000)が良い
- USB Type-Cが付いている点が気に入った
Lenovo ideapad 520 15.6型
8世代CPU「Core i5 8250U」搭載のハイスペックノートパソコン
「Core i5 8250U」の性能は、2015年7~9月に登場した「Core i7-6820HQ」とほぼ同等です。「Core i7-6820HQ」は主にゲーミングノートなどのハイエンドモデルに採用されているCPUで、パソコン本体の価格は20万円台~30万円台になっています。
一方で「Core i5 8250U」を搭載した「Lenovo ideapad 520 15.6型」は一番高い構成で約10万円という価格になっています。
高い性能を維持しつつ、コストを抑えたい方におすすめです。
仕事での使用や、外に持ち出して使用する方におすすめ
「Lenovo ideapad 520」はモバイル運用がおすすめの用途になります。多彩なインターフェースを持っており、USB3.0はもちろん、USB Type-C、HDMI、SDカードスロットと、あらゆるシチュエーションに対応できます。
仕事用や外への持ち運びを考えている方に最適なノートパソコンと言えます。
「Lenovo ideapad 520 15.6型」の評判
- SSDが搭載されているので起動が早い
- 高性能でもパソコン本体は軽く、持ち運びに向いている
- 日常・仕事両方の使用ができ、満足している
Dell Inspiron 14
8世代CPU「Core i5-8250U」と「Core i7-8550U」を選択可能
パソコンの構成は8世代CPU2種から選択できますが、両方ともハイエンド向けのCPUとなっています。「Core i5-8250U」の動作周波数は1.6GHz~3.4GHz、「Core i7-8550U」は1.8GHz~4.0GHzとなっています。
両モデルの価格差は1万円前後ですが、「Core i7-8550U」の方はスペック面で「Core i5-8250U」を圧倒します。購入を検討するなら「Core i7-8550U」モデルをおすすめします。
グラフィックは「NVIDIA GeForce MX150」を搭載しています。「GeForce MX150」はノートパソコン向けGPU「GeForce 940MX」の後続にあたり、グラフィックメモリは2GBと少ないですが3Dゲームが実行できる程度には強力なGPUです。
?パワフルなビジネス向けノートパソコンを求める方におすすめ
コンパクトなデザインに強力なCPUとグラフィック性能を持っている「Dell Inspiron 14」は、一般的なビジネス向けノートパソコンに高スペックを求める方におすすめです。
125GB SSDと1TB HDDを搭載しているため、起動が早く、パソコンの容量不足を気にすることなく使用できる構成となっています。
「Dell Inspiron 14」評判
- メモリスロットは1つしかないため、メモリ容量を増やす場合はメモリを交換する形になる
- 見た目の高級感が良く、購入後とても気に入っている
- その性能故、パソコン本体の発熱が少し気になる
ローエンドCPU搭載おすすめノートパソコン
Dell Inspiron 15 Celeronモデル
「Celeron N3060」を搭載した低価格ノートパソコン
Intel製のCPU「Celeron」は俗にいう格安パソコンによく採用されているCPUです。「Celeron N3060」は動作周波数1.6GHz~2.48GHz、内臓GPUはIntel HD Graphich 400という性能になっています。
また、Celeron N3000番台の中で最大動作周波数が2.48GHzと一番高い数値になっているのが特徴です。
「Celeron N3060」はコストパフォーマンスを第一に考えた、Intel Coreシリーズの廉価版のCPUです。
安くて品質の良いノートパソコンを求める方におすすめ
「Dell Inspiron 15」は価格が安いからと言って初期不良が多い、壊れやすいということはなく、品質の良いノートパソコンです。
安くて長持ち、そんなノートパソコンを求めている方におすすめです。
「Dell Inspiron 15 Celeronモデル」の評判
- 3Dゲームや動画編集等をしないなら十分なスペック
- ディスプレイがノングレア仕様フルHDなので、映像が美しく、長時間使用していても目が疲れない
- 価格とスペックが見合っていて、使い勝手が良い
ASUS VivoBook X207NA 11.6型
コストパフォーマンス重視「Celeron N3350」
先ほど紹介した「Celeron N3060」との違いは動作周波数と内臓GPUです。最大動作周波数は2.4GHzと下がり、内臓GPUはIntel HD Graphics 500に上がっています。総合的な性能は「Celeron N3350」の方が上になります。
このCPUは「Celeron N3060」と同じく、コストパフォーマンスを最優先に考えた性能となっています。
ノートパソコンを持ち歩く機会が多い方におすすめ
「ASUS VivoBook X207NA」は小さくて軽いデザインなので、外出先での使用におすすめのノートパソコンです。
一点注意しなければならないのは、搭載されているOSが「Windows10 S」であるということ。「Windows10 S」は「Windows 10 Pro」の機能制限版で、Windowsアプリストアからインストールしたアプリしか使えないことや、検索エンジンがMicrosoft Edgeに固定されるなど、様々な制約があります。
「ASUS VivoBook X207NA 11.6型」の評判
- 長時間使用しても発熱が少ない
- 本体サイズが小さくて軽いので、持ち運びに向いている
- タブレットPCと購入を迷ったが、安さに魅かれて購入。購入後の使用感は概ね満足している
?Acer Spin1
?「Pentium N4200」搭載 薄型ノートパソコン
Intel製CPU「Pentium」も「Celeron」と同様Intel Core シリーズの廉価版にあたるCPUです。Pentiumuシリーズは全体的にCeleronより上の性能を持っており、ノートパソコン本体の性能も向上しています。
用途に合った構成を選択したい方におすすめ
ここでは「Pentium N4200」を搭載したエントリーモデルを挙げていますが、他にも「Seleron-N3350」搭載のエントリーモデルや、「Core i7-8550U」搭載のハイエンド構成にすることができます。
用途に合った選択が柔軟にできるのがAcer Spin1の良いところです。
?「Acer Spin1」の評判
- 8世代Core i5搭載モデルを購入したが、高性能の割にバッテリー持ちがよく満足している
- ACアダプタが小さいので、パソコン本体と持ち歩いても重くない
- Pentium搭載のエントリーモデルは、コストパフォーマンスが良く、外出先での使用に満足している

デスクトップパソコンに引けを取らないノートパソコンの数々
ここまで8つのノートパソコンと搭載されているCPUの紹介をしてきました。現在では様々な種類のCPUが普及してきており、ノートパソコンの選択の幅が広くなってきています。
ノートパソコンを購入する際、まずは自分が求める性能を熟考し最良なCPUを選択すると、今後長く使用できる製品に巡り合うことができると思います。